幸福学第4回 白熱教室(NHK教育)

幸せを導く人間関係(社会的関係)とは

人は社会的な役割を実行していくことで達成感を得て幸福感を得ていく

世代別で幸福感は変化していく。

人生の中で幸福はどう変わっていくのか。

感情の量の世代(20-30代, 40-50代,60以上)間の違い

・ポジティブな感情は違いがない

 →高齢者になるほど暗く沈みがちだという固定概念とは異なる

・ネガティブな感情は年代が進むにつれて、減っていく

 →子供はポジティブという固定概念とは逆

・人生満足度は年とともに増えていく

年代ごとの人生満足度の比較

・40-50代が最も低い。40歳前後の落ち込みは低くなる。

なぜか?

・離婚:中年になってから離婚する。(仕事の問題が増え、子供の問題も増えてくると離婚が増える)

結婚(既婚、生涯未婚、別居/離婚、死別)に関する幸福度の比較

・既婚のほうが幸福度が総じて高い。

・どの年代も40代で落ち込むが、生涯未婚、別居/離婚は40代の落ち込みが激しい。

・その後上がっていく

なぜ高齢者の幸福度が上がっていくのか?

・高齢者は受容度が高い。今まで困難をたくさん乗り越えてきているため、受け入れることができる。困難は来ても去っていくとわかっている。

日本ではどうか?(内閣府データ2008,2010)

・高齢になっても幸福度が低いまま

・日本は、国際比較で、人との結びつきが少ない
 別居している子供を合う、親しい友人がいる、友人や家族と連絡を取る

・日本では人間関係の希薄さが幸福度を下げている

 

ホスピスでの証言集(ブロニー・ウェア著「死ぬ瞬間の5つの後悔」)

・人の期待に応える人生でなく自分に正直に生きる勇気がほしかった

・あんなに働かなければよかった

・勇気を出して自分の気持ちを伝えればよかった

・友達と付き合い続ければよかった

・自分が幸せになるのを許せばよかった

→人間関係にかかわることが多い

親切をすることで人と自分を結び付けより良い人間関係を築く

すぐにできること=一日の終わりに、自分の人にした親切を数えてみる。日記に付けてみる

人生の幸福度を高める人間関系

例)インド コルカタ スラム街

少女と出会う。大人になったら看護師になりたい。

走ってタクシーのところまで競争した。

少女が勝ち、少女が「やったー」というと、少女も少女の両親、タクシーの運転手、回りのすべての人から歓声が巻き起こった。

その周辺は幸福に満ち溢れた。

このような10年前のことを今はなしている。私が覚えていて、さらに話したあなたたちにも幸福になっている。

→幸福は社会的ネットワークを通じて広がっていく

幸福のネットワークを調査した研究

・幸福な人、不幸な人の周囲の親族を調べた。

・ネットワークは、幸福な人の周辺の人も幸福だった。

友人を調べた研究

・友達を介してどれだけ幸福感を得るか

・一人目が幸福だと自分も15%上がる、2人目が幸福だと自分も8%上がる。

・4人目だとあまり関係なくなる

幸福の友達を支えれば、あなたも幸福になる。友達からも支えられて、あなたも幸福になる。幸福の波及効果、よいスパイラル。

 

幸福の人との結びつき(親友、家族、恋人)

・幸福度の高い人は、親友、家族、恋人との関係の結びつきが良好

・幸福度の低い人は、良好でない

・どれが必要かは、文化的な差がある

日本の場合:心の支えになっている人(内閣府2010)

・家族66.4%、友人24.3%、地域5.9、職場4.8

 自分の悩みを打ち明けられる1人か2人いると幸福感を得られる。

 

幸せな人間関係を考えるとき、サポートを受けることを気にする。

実際には、そうではなく、大切なのは人をサポートすること。

 

 恋人との関係

うれしいことを共有することこそ、幸福感が増す。

うまくいかなかったことだけをサポートする場合、長続きしない。

 

質疑

Q:不幸から幸福になるのは段階的なのか、スイッチみたいなものなのか?

A:スイッチのようなものではない、結論を急がないことが重要。

Q:幸福についての研究は世界各国の政策にどの程度影響しいていいる?

A:ブータン:幸福指数、今はリーダーが交代したので、減っているかもしれない。

 多くの政府で、幸福にかかわる指数を調べるようになってきた。