MIT白熱教室 第2回(NHK教育)

物理学講義第2回

「電車でジャンプしても、そのまま着地する理由」

前回のおさらい:重力と自由落下運動

重力加速度 g = 9.8m/s^2

速さv = g t 

時間から落下距離を求めよう

車で走った距離を例にすると、

初め v1 の速度で走っている。次に加速して、速度 v2 になったとする。

縦に速度、横に時間を取ったグラフを考える。

時間と速さのグラフの斜線部分の面積を求めると、速さになる

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落下物体の場合。

重力加速度 g なので、斜線部分は g × t ÷ 2となる。

落下距離 d = 1/2 g t

落下距離がわかれば、落下時間がわかる。

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下距離と速さの関係

t = √ 2 h / g

たとえば、高さ100mの高さから落下するのにかかる時間は、計算すると 4.518。

このとき、速さは g t なので、44.27 m/s。

位置エネルギー E = M g h なので、物体の質量 1kgとすると、980 J。

重力加速度を測ってみよう

高さ 3.000 m (誤差 0.002mとしよう)からの落下時間を調べ、これによって、重力加速度 g を計算する

  g = 2 h / t^2

時間 t = 0.7799 sec → 重力加速度 g = 9.86 (誤差 0.05 ) m/s^2

力学的エネルギー保存の法則を理解しよう

落下する物体は、どんどん早くなって、最後に地面に衝突する。

運動エネルギーは 1/2 M v^2

計算すると、979.9 J

なんと、A地点での位置エネルギーと一致した。

 

A地点での位置エネルギー+運動エネルギー = B地点での位置エネルギー+運動エネルギー

 

とすると速さvは、次のようになり、質量に関係ないことがわかる。

ガリレオのピサの斜塔の実験は正しかった。質量に関係なく落下する速さは同じだ。

 M g h = 1 / 2 M v^2

v = √ 2 g h

落下するボールはどのように見えるのか

ストロボ実験で観察してみる。

高さ3.2mから白いボールを落とす。

ストロボで一定期間照射するので、何回見えたか数えてほしい。

7回か8回みえる。重要なのは、その間隔が徐々に広がっていくこと。

移動する乗り物の中でジャンプしてもなぜ元の位置にそのまま着地するのか

ボールを投げたとき、どのような時間で頂点に到達し、そのあと戻ってくるまでどのくらいかかるのか。

エネルギー保存の法則があるので、当然同じ時間で返ってくる。

これを飛行機の中でやったらどうなるのか。

飛行機に乗っている人からすれば、ただボールを投げて帰ってくるだけ。

しかし、これを外から見ている人にとっては、放物線を描いて飛んでいるようになる。

木から落ちるサルを打つには

落下する距離は、サルも銃弾も同じ。

つまり、銃弾が発射されたとき、同時に銃弾を発射すると同じ距離落下するので、銃弾の速度が何であれ、当たる。